退院の許可・私の体調

緊急入院から10日程たった午前中の回診の時、主治医から退院の許可が出ました。

私は、その頃には食欲が出ていたので1日も早く自宅に戻って自分なりの食生活をしたかったのでとても嬉しく思いました。


この入院の時、隣のベッドのIさんと仲良くなり良く話しをしていました。

私と主治医の話しが聞こえたのか、Iさんは私の退院を自分の事のように喜んでくれました。


「Iさん、お互い癌を克服して一緒にみかぼ山に山菜採りに行きましょうね。」

「いつ退院出来るかわからないけど、とにかく癌に負けずに頑張りますよ。」

お互い、ガン患者同士、普通の病気とは違い先の事は本当に分かりませんが趣味の話しになるとその時だけは病気の事を忘れさせてくれました。

入院生活の中でも楽しいひと時でした。

私はIさんはじめ、同室の患者さん達と看護師さん達に挨拶をして病院を出ました。


『ご主人はおそらくもう助からない』とまで言われたこの時の緊急入院、私はまたもや何とか助かってしまいました。

それと同時にこれを乗り越えられた事で身近に感じていた『死』が一歩遠くなったような気がしていました。


家に帰り、久々のシャワー。

わき腹のチューブがあるため、お湯に浸かる事は一番最初の入院からもう出来ませんでしたがシャワーだけはたまに浴びる事が出来ました。

風呂に入れない以上、やっぱりシャワーは楽しみでした。

風呂場に入り、服を脱ぐ・・・、痩せ細った自分の身体に驚くと言うか、愕然としてしまいました。


妻ももちろん感じていたのでしょう、口には出さず、わき腹のチューブのところからお湯が入らないように黙って処置をしてくれていました。

「俺、だいぶ痩せたなぁ。。。」

「そうね。でも元気になればまた元通りになるよ。」

私もそれ以上その事に関しては触れませんでした。


それはそれとして久々のシャワー、やはりとてもスッキリすることが出来ました。


退院後も胆汁の出る量はなかなか安定しませんでした。

通常、500ccの容器がいっぱいになるのに4,5時間位なのですが多い時はそれがわずか1、2時間の時もありました。


不安な気持ちとは別に『人間の身体ってこんなにも水分があるものなのだ・・・』と単純に感心している自分もいました。


『わき腹にバルブでも取り付けられないのかな。。。』とバカな事を考えてもいました。




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