「笹野さん、驚いた事に胆管が正常に戻っています。」

その言葉に一瞬、私の頭は真っ白になりました。


「こちらに入ってモニターを見てみますか?」

私は主治医と一緒にモニター室に入りモニターを見させてもらいました。

モニターには様々な血管などが無数に白く映し出されていました。


「これが笹野さんの胆管です。 今まで胆管のこの部分が癌の腫瘍によって塞がれていました。それが今は太くなって胆汁が流れています。」

主治医がモニターを使いながら説明してくれました。

胆管が塞がっている映像も何度か見させてもらっていたので 私にも胆汁が流れているのがハッキリと確認出来ました。


「笹野さん、結論から言うと胆管は正常に戻っています。

「でも不思議だ。」主治医は看護師さんに小声で言っていました。

「先生、早速なのですが、 胆汁が流れているという事は、このチューブは抜けるのですか?!」

「抜けると思いますよ。」

「良かったですね!笹野さん。」看護師さんも喜んでくれていました。

「このチューブ、出来る事なら一日も早く取ってもらえますか?!」

「分かりました。まずは入院してもらってCT検査をして その結果でキチンと判断しましょう。」


私はその足で入院手続きを済ませました。

検査の後の事はほとんど記憶にありません。

本当に頭の中が真っ白だったのでしょう。


ただ、妻に電話したことは覚えています。

「エッ?! ウソッ?! 本当に良かったね!」その後妻は電話の向こうで泣いていました。

私も妻への感謝の気持ちをはじめ、いろいろなものが込み上げてきて 何も話せなくなっていました。


私はいつもの喫煙所で一服し、はやる気持ちを抑えてから自宅に戻りました。


家に着くと遊びに来ていた子供達も喜んでくれました。

「お父さん!お母さんから話しを聞いたよ!本当に良かったね!」

入院の前日、チューブを取る前に妻にお願いして1枚だけ写真を撮ってもらいました。

これがその時撮ってもらった写真です。(トップページにも載せています)
胆汁を体外に出すためのチューブ  

『これでやっと念願だったチューブを外す事が出来る!』

まだ検査もしていないのに、私の心はもう先に飛んでいました。


晴れて本当の意味で『自由の身』になれると思うと 心の底から嬉しさと喜びが湧いてきて抑えるのが大変な程でした。




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