末期癌の現実と治療について

末期癌の現実、怖さをまざまざと見せつけられた事がありました。

いつもの喫煙所に良くタバコを吸いに来ていた年配の女性がいました。

前回の入院の時は普通に元気で良く笑っている印象の方でした。


ところが、今回の入院の時、偶然この女性と廊下で会う事がありました。

女性は、もうひとりで歩く事は困難になってしまったのでしょうか、車いすに乗せられ、看護師さんに付き添われていました。

ほんの数週間前、一緒にタバコを吸って笑って話しをしていた時とはまるで別人のようでした。


廊下ですれ違った時、目が合いましたが、その目はどことなく寂しそうでした。


私はこの女性と会った後、以前入院をしていた時に同じ病室で良く話しをしていたAさんの事を思い出しました。

『そういえばAさん、どうしているのかな?!ちょっと挨拶して行こう。』

私は自分の病室へ戻る途中、病棟の名札を見ながら、Aさんの名札を見つけました。

私はAさんの病室を見つけ、中に入りました

そこには苦しそうに身体を『くの字』にしてベッドに横たわっているAさんの姿がありました。


私はビックリして何も話すことが出来ず病室を出てきてしまいました。

Aさんの病名はやはりでした。


私とは癌の部位が違いましたが、処置方法は私と同じでわき腹からチューブで胆汁を出していました。

『前に入院していた時は私よりも元気だったのに。』

私は末期癌と言う病気の恐ろしさ、そして末期癌を患った者の現実をまざまざと見せつけられてしまいました。


また私自身、調子が良くなってきたと言っても末期癌患者です。

癌がいつどうなるのか、末期癌だからこその急変があるのか、自分自身の心が一気に不安でいっぱいになってしまいました。


それから数日後、Aさんは個室に移され、しばらくするとAさんの名札が外されていました。


私のように入退院を何度も繰り返していると本当にいろいろな事を経験します。

その中で感じた事、
それは、兄が胃癌の末期で治療を受けていた数年前と何も変わっていないと言う事でした。

世の中の医療は進歩しているのかも知れませんが【末期癌】の治療に限っては抗がん剤の治療では無意味なのかも知れないと感じました。


事実、抗がん剤の治療を受ける事によって、副作用が大きく、患者さん本人もそのご家族も戸惑う姿を病室で何度も見て来ました。

今でもこの世を去った多くのガン患者さん達の事を覚えています。

時々、ひとりひとりの思い出が甦って来たりする事があります。


【健康な人には病気の人の心は解らない。】


この言葉は一人の方との出会いの中で聞かされた言葉です。

余命3ヶ月の末期癌を経験した者として私も同感出来ます。

この言葉の重みを感じています。




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