味覚の変化で食欲が減る

ある日突然、味覚の変化で食欲が急に減ってしまうという事も経験しました。

ちなみに、味覚の変化が起きたこの頃の私の血液検査は決して悪いものではありませんでした。

肝機能の数値は基準値よりも少し高い程度で落ち着いていました。

主治医も「奥さんが見るでしょう?!」と言って元看護師の妻が見れるようにと、血液検査のコピーを渡してくれました。

そんな訳で妻も私の肝機能数値の推移を知っていたので安心しているようでした。


そんなある日の事でした。

朝一番、いつものように1階の喫煙所で一服し、廊下を歩いていると魚を焼く匂いがして来ました。

『おっ、今日の朝食は焼き魚かな・・・。』などと思いながら病室に戻りました。

朝食の時間になると看護師さんが朝食を運んで来てくれました。

やはりおかずにはサンマの開きがありました。

私の好物の一つでもあったので、私は早速食べ始めました。

『・・・、アレ?! なんか旨く感じない。。。』

この時の事を言葉で表すのは難しいのですが、今まで美味しく食べていたものが、突然、本当に突然、まずく感じるようになってしまったのです。。。

その後、他のおかずにも手を出してみましたが、やはりどれも美味しく感じられませんでした。

いつもは人一倍、食いしん坊な私のはずなのに味覚の変化が起きたこの日を境に、食欲が減り、病院食を残してしまう事が増えて行きました。


食事の後は看護師さんがひとりひとりに食事具合について聞きに来ます。

普段は「全部食べました。」と言っていた私が、やはり味覚の変化が起きたこの日を境に食欲が減り、「ちょっと残しました。」、「半分残してしまいました。」と言う事が多くなりました。

自分でも良く分かりませんでした。

『昨日』まで美味しく食べられていたものが『今日』は食べられません。。。  そんな状態だったからです。


私は味覚が変わって食欲が減ったとしても、生きるためには食べなければと考え、妻に連絡し、理由を伝えて、私の大好物なおかずを作ってもらって持ってきてもらうようにお願いしました。

幸いな事に、食事は喉を通らなくても腹は減っていて空腹感があるのです。。。

妻が病院に来る前に私は1階の売店に行き、何か食べたいもの(食べられるもの)を買いに行く事にしました。

この時私が手にしたもの・・・、『ぶどうパン』、『かりんとう』、『チョコレート』・・・、

普段は滅多に食べない甘いものばかりを手にしていました。

病室に戻り食べてみました。

『おっ?!これなら食べられそうだ・・・。』

私の味覚は何故かスッカリ変わってしまっていました。


その日の夕方、妻がおかずを持って来てくれました。

早速食べてみました。

妻には申し訳ないのですが、私の大好物でも味覚の変化により、美味しく感じられませんでした。

1口2口で食べるのを止めてしまいました。

「薬の副作用で味覚がおかしくなったのかなぁ?」

「原因は分からないけど、たとえ味覚が変わって食欲が減っても、とにかく食べられるものだけでも食べないと体力がつかなくなるから、何か他に食べたいものがあったら作って持ってくるから言ってね。」

せっかく作ったものを持ち帰る事になってしまったにも関わらず妻は私を気遣ってくれました。


また、いくら病気の治療とは言え、長い間、薬を服用していると身体のどこかで変化が現れるようになってしまうのかとも思うようになりました。


翌日の回診時、主治医に味覚が変化してしまった事を聞いてみました。

「病気(癌)のせいだと思います。」

首をかしげながら言っていました。


その後も身体にいろいろな変化が起きてもただ、『ガンだから。』と言う言葉で片付けられ、原因は癌だと言う事で話しは終わってしまいました。





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